「思春期なこともあって、全然、子どもが話をしないんです。だから、子どもが何を考えているかわからないんです。子どもの気持ちが知りたいです」
学習塾として、お子さまをお預かりしておりますと、親御さんからこのようなお悩みを耳にすることは少なくありません。
ただ、私たち大人も子どもたちの年頃には親に対して反抗してみたり距離を取ってしまったご経験が、多かれ少なかれあるのではないかと思うのですがいかがでしょうか。
そして、お子さんの気持ちがわからないがゆえに、つぎのようなご相談をいただくこともございます。
- 子供の気持ちがわからないからこそ、余計にあれこれと心配が膨らむ…
- 志望校を含めて、どこに目標を置いてがんばらせればいいかわからない…
- いろいろな事情が絡み合っていて、志望校が決めきれない…
- 将来についての話をしても、揉めるだけで解決を見ない…
- 子どもは、余計に将来のことを考えなくなるし勉強もしなくなる…
- 子供の進路が決まらない状況に対して、ちゃんと自立できるのか心配…
気持ちがわからないのは、保護者の方だけではありません
実は、お子さん自身も「自分がどうしたいのか?」がわからないことが少なくありません。
とりわけ、志望校などは将来にも関わることです。
そのため「将来、どんな仕事に就きたいのか?」といった(おおよそでも)目標や方向性が定まっていなければ、なかなか志望校を決められないという側面があります。
とはいえ、世の中にどんな仕事があって、どんなふうに世の中が動いているのか?を十分に理解できていない状態で「将来を決めなさい」というのも、いささか乱暴なようにも思います。
つまり、子どもたちのまわりに大人や将来、仕事や社会といった情報が乏しすぎるんですね。
ですが、このような問題を効果的に解決できる方法があることを、まだ多くの方がご存知ではありません。
その方法とは…
探究学習
です。
当塾では探究学習を行ってまいりました
子どもたちのキャリア教育の一環として、探究学習(探求授業)を行ってまいりました。
探究学習用の教材を用いながら、例えば「世界の環境問題を解決するために、自分にはどんなことができるだろう?」といった問いから、生徒と社会が身近になるはたらきかけを行っております。
実際に生徒たちは、社会的な大きな問題に対して「世界で起きてることなんて、自分たちには何もできないよね」と結論づけることはありません。
むしろ「何もしなければそのままだし、世界の問題は変わらないかもしれない。けれど、身近にできることで世界は変わりはじめるかもしれない」ということをリアルに実感しはじめています。
また、私以外の社会人の方をゲストに招いて、子どもたちの質問に答えてもらうといった機会も設けています。
ゲストには、大企業に勤めておられた方や海外でお仕事をされていた方など、多様なバックグラウンドをお持ちの方々にご協力をいただきました。
そして、ゲストの方のお仕事や生き方に耳を傾けながら、子どもたちの目の色は変わっていきます。
その結果、自らの将来について具体的に考え、希望を抱きはじめるようにもなっています。
今後は、さらにそのような活動を拡大し、オンラインで社会人の方のインタビューや、ワークなども企画しております。
人前で物怖じせず、堂々と発表する姿に親御さんも驚かれています
私自身、探究の授業を行うようになって一番よかったなと思っていることは、子どもたちの主体性や表現力がたくましく育っている点です。
探究の授業は、いわゆる5教科の授業のように講師から知識を教わる(=インプット)だけではありません。
授業の中で行う「個人ワーク」、「グループワーク」を他の生徒たちに向けて発表するところまでがカリキュラムとなっています(=アウトプット)。
その結果、はじめは人前で話すことに抵抗のあったお子さんも、だんだんと発表することに抵抗感がなくなり、堂々と自分の考えや想いを他者に向けて表現できるようになっています。
おそらく、そのような姿はなかなかお家のなかでは見られないものではないでしょうか。
親子間のコミュニケーション不足解消の一助になります
子どもたちの多くは、ご家族以外の第三者には自分の意見が言いやすいという側面があります。
親には言いづらいことを、先生や塾の仲間であれば言いやすいんですね。
そして、そのような子どもたちの本音が出やすい機会が探究の授業と言えます。
その結果、子どもたちは自然に自分と向き合うようになりはじめます。
自分自身から逃げることなく、将来のことを考えるようになるんですね。
そうした経験を積み重ねると、おおよその進路や将来の夢や方向性は具体化されます。
また、多くの親御さんは、お子さんの意志を尊重したいとお考えでいらっしゃいます。
そこで、将来の方向性がクリアになり、物怖じせずに自己表現する力が高まることによって、親御さんにおかれましてもお子さんの意志を認識できるようになります。
さらには、こうした自己表現の土台があることで、高校以降の進路についても「〜〜行きたい」、「〜〜したい」という意志を主体的に伝えてくれるようになります。
成績にも好影響!?
これまでの私の観察では、探究学習と成績の直接的な結びつきはあまりないと思います。
しかし、間接的には成績に好影響をおよぼす可能性は考えられます。
なぜなら、2020年から実施された新学習指導要領から成績の評価基準が変更になったからです。
現在、各教科の5段階評価は、つぎの3つの観点を総合的に評価されたものになっています。
「①知識・技能」、「②思考・判断・表現」、「③主体的に学習に取り組む態度」
そして、それぞれを5段階で評価し、その総合得点によって最終的な5段階評価がつけられています。
※くわしい成績に評価方法は、成績表に記載されております
探究授業をきっかけに、物怖じせず自己表現できるようになることで積極性が高まり、それが「③主体的に学習に取り組む態度」の評価に結びつくことは考えられます。
探究授業を受けるには?
当塾に通っていただくことが前提となります(※現状、探究授業のみを受講いただくことはできかねます)。
しかし今後は、授業形態を変更し、塾生以外も参加できるように検討はしております。
みんながHappyになる未来が待っている
探究学習は、親子関係が良好になり、進路も決まって、志望する進路にも合格できて、みんなにとって満足行く結果をもたらす一助になると、私は感じております。
事実、当塾においては最終的に親子間のギスギスがなくなっているご家庭が多いように思います。
その一番の要因は、やはり子供たちに主体性が芽ばえ、志望校や将来の方向性、さらにはそれに伴う勉強内容までもがクリアになっていることです。
子どもたちは、やるべきことが明確になれば自ら勉強するようになり、その結果、成績も上がってきます。
そうなると、親御さんとしても安心して見守ることができるようになります。
これからは、従来の学習内容と探究学習が両輪となって、子どもたちの生きる力をより強くたくましく育んでくれると信じています。
現代の生きる力を最適に育てる「探究の授業」を、どうぞお子さんに経験させてあげていただきたいと思います。