丸山台中2年生:小6で算数9点→中2で数学90点!

家では、全然勉強しません。だけど、塾に行けば勉強するんじゃないかと…。家では、面倒見切れないので先生にお任せしたいです。

現在、丸山台中学校に通う中学2年の柏木雄大くん(仮名)は、小学校4年生のときから当塾に通ってくれています。プライバシーに配慮し、仮名での記載となります

もともとは、雄大くんのお姉ちゃんが当塾に通ってくださっていました。

そして、雄大くんが小学校4年生のときにお母さんから上記の申し出があり、当塾に通うことになりました。

雄大くんにかぎらず、小学校4年生ぐらいで学校の勉強を難しく感じはじめるお子さまは少なくありません。

ですので、小学4年生からお子さまを学習塾に通わせられるご家庭が増える傾向があります。

もちろん、小4以前から学習塾に通うケースもあります。

ただその場合、当塾では各教科の勉強をしっかりやるというよりは、勉強習慣を身につけさせたり、集中して机に向かえるようになる力を身につけることをおもな目的として指導を行っています。

そのうえで、小4ぐらいから教科の勉強をしっかりやりはじめるのが望ましいと考えています。

どうやって成績を伸ばしたのか?

さて、雄大くんの成績がメキメキと伸びはじめたのは、実はつい最近(中2)なんです。

中1までは、当塾に通っていたもののほとんど勉強をしなかったため、お世辞にも成績がいいとは言えませんでした。

では、なぜ雄大くんは中2になってから成績が伸びるようになったのか?

なぜ、勉強に対するスイッチが入ったのか?

そこには実は、成績が伸び悩んでいた小4〜中1までの経験が大きく関わっていたことがわかりました。

そこで今回は、雄大くんの成績アップまでの変遷をご紹介したいと思います。

それをご覧いただくことで、お子さまの成績アップのヒントをつかんでいただけると思います。

もし今、お子さまの成績が伸び悩んでお困りなら、2,3分ほどお時間を取っていただき、これからお伝えすることをご覧になってみてください。

執筆者紹介

翔優館塾長:秋間 義浩

小学校の恩師の影響から、将来の夢は「学校の先生になること」だった。

学生時代に、塾講師のアルバイトをしたことがきっかけで「自分の個性を活かせるのは、学校の先生より塾の先生なのかもしれない」と感じ、アルバイト先に直談判し入社することに。

大手学習塾では、1教室で300人以上の生徒を指導してきた実績があり、また教室長も歴任。その後「より生徒の進路や人生にも関わる塾講師でありたい」という想いから、同僚の塾講師たちとともに学習塾を創業した。2016年には、さらに自分の理想とする学習塾像、塾講師像を体現すべく、創業した学習塾からも離れ、たった一人で現在の学習塾、翔優館を横浜市港南区に設立した。

気づけば、塾講師歴30年超。累計1,000人を超える生徒たちを指導。つねに、素直な心と素敵な笑顔を心がけ、日々、生徒ひとりひとりを大切にして指導に当たっている。

小学生のうちは成績が伸びませんでした

正直に申し上げますと、通いはじめたころは大変でした。

まず、すべての教科のベースとも言える国語が非常に厳しかったんですね。

漢字や文章の読み書きができなかったため、国語の読解だけでなく他の教科の問題も読むことができませんでした。

また、算数の計算もあまりできませんでした。

雄大くんが6年生の夏休みに行った、学力テストの成績が残っていました。

それを見ると、算数が9点/100点満点(全国平均59.8点)、国語が44点/100点満点(全国平均77.7点)でした。

国語に関しては、漢字の読み書き問題が16問あるうち正解は2問だけでした。

さらに、冬休みの学力テストでは算数が7点/100点満点(全国平均65.1点)、国語が40点/100点満点(全国平均71.1点)で、漢字の読み書き問題は16問のうち8問正解でした。

このような成績が、当塾に通いはじめた小4〜6年生までずっとつづきました。

指導は欲張らない

イメージ図

小学生のときは、雄大くん自身が塾に行って成績を伸ばしたいという気持ちがあまりなかったのだと思います。

冒頭にも紹介したとおり、お家で勉強しない姿を見かねて保護者の方が塾に行かせたようでした。

ですので、雄大くんからは「親が行けって言うから行かされている」という雰囲気がありました。

そのせいか、宿題などもやらないことが多かったですし、授業自体もあまり進みませんでした。

当塾で使用している教材の、1年間のカリキュラムも終わらなかったですね。

そのため、私としてはあれもこれも一気にできるようにはしませんでした。

無理強いしてしまうと、今まで以上に勉強がイヤになって塾を辞めてしまうこともあり得ます。

だから欲張らず、雄大くんの学力を一番伸ばせるところや最低限できたほうがいいところなど絞って指導しました。

講師との信頼関係が成績アップに欠かせない

イメージ図

ここまでをご覧いただくと「成績が伸びないなら、塾に通わせても意味がないのでは?」「他の塾に通わせたほうがいいのでは?」と思われたかもしれません。

もしかしたら、私が行ってきた指導以外の方法で雄大くんの成績を伸ばせたかもしれません。

ですがその一方で、小4から通いつづけてくれたことで時間の経過とともに私と雄大くんの間に信頼関係を築くことができていました。

私自身、雄大くんの勉強以外のさまざまな面を知ることができました。

例えば、雄大くんには友だちがたくさんいて、雄大くんが勉強で困ったときなどにはいつもまわりのお友だちが雄大くんに勉強を教えて助けてくれていました。

雄大くんは、どちらかと言うとあまりクラスで目立つ派手さのあるタイプの生徒ではないと思います。

ですが、人として“とてもいい子”と言いますか、ついまわりが助けたくなるような生徒なんですね。

また雄大くんは、繊細にまわりのことを感じ取るタイプの生徒でもあります。

なのできっと、まわりのお友だちのことをつねに気にかけているのだと思います。

こうした生徒のパーソナリティを深く理解できることで、生徒に合わせた声かけや指導をより的確に行うことができます。

それ以外にも、信頼関係が深まるにつれて私も雄大くんもお互いが思っていることを伝え合うことができるようになりました。

私のことを信頼してくれているからこそ、自分の気持ちを正直に伝えてくれているのだと思います。

このような関係性は、決して一朝一夕で築けるものではありません。

そして、このような関係性が、後の成績の上昇に大きく関係していきます。

たとえ、成績が伸び悩んでいたとしても…

イメージ図

私自身、雄大くんの変化を見るにつけ強く感じていることがあります。

それは、たとえ塾に通って成績が伸びなかったとしても継続することは大切だということです。

雄大くんは、成績があまり伸びなかったものの、小学4年生から塾に通って勉強する習慣がありました。

このような学習習慣は、目に見えた成果が出ていない時期にも着実に形成されています。

それは“何かのきっかけ”で、グッと成績が伸びる“土台”になります。

事実、雄大くん以外にも私が指導してきた生徒で、雄大くんのように成績を伸ばした生徒が何人もいます。

(当塾に)小学生のときから通いつづけているものの成績が伸び悩んでいた生徒が、中学に入って突然あるタイミングで「こんなにできるようになった?」と思うぐらい伸びることは少なくありません。

逆に、小6の終わりや中学に入ってから塾に通いはじめる生徒は先の“土台”がありません。

そのため、雄大くんたちのような“大きな伸び”が起こりづらい傾向があると感じます。

以上の理由から、成績が伸び悩んだままだとしても、そして「(塾は)まだ早いんじゃない?」と思われたとしても、小学4年生ぐらいから塾に通いつづけることは大切だと私は考えております。

中1で成果が現れるも…

私は、雄大くんが小学生のときから折に触れて「中学になると勉強は難しくなるし、高校受験もある」といった話をしていました。

本人の中でも「中学は、小学校とは違うんだろうな」という意識を持っていたのだと思います。

そのため、中学生になると今まで以上に勉強する必要性や意識が強くなって行ったと思います。

そしてそれは、テストの点数にも現れはじめました。

中1の6月のテストでは、数学49点/100点満点でしたし、夏休みの模試では3教科の偏差値が35でした(1年生の模試は3教科のみ)。

しかし、成果が見えはじめたのもつかの間、中1の秋ごろから好ましくない変化が起きはじめました。

宿題をしてこなかったり、学校の提出物を出さない状態がつづいたんです。

宿題をしてこないどころか「宿題何でしたっけ?」といった有り様でした…。

また、家で寝ちゃって塾に遅れることもしばしばでしたし、持ち物の管理もできていませんでした。

カバンの中身と成績には関連性がある!?

「持ち物の管理」とは、カバンの中が整理されているかどうかのことです。

当時の雄大くんはカバンの中がぐちゃぐちゃで、何がどこにあるかわからない状態でした。

一見すると、カバンの中の状態と成績は関係ないように思われるかもしれません。

ですが私の長年の観察では、カバンの中がぐちゃぐちゃの生徒は勉強で伸び悩む傾向があります。

生徒の外見的な状態は、そのまま内面を表していることが少なくありません。

そして、カバンの中がぐちゃぐちゃな生徒は頭の中もぐちゃぐちゃで、教わったことや言われたことを整理して覚えることができないんですね。

雄大くんも、そのような状態に陥っていました。

塾を辞めなさい

そして、何度も言っても宿題をやって来なかったので私としましても「約束が守れないなら、塾を辞めなさい」と彼に勧告しました。

宿題を忘れてくるたびに授業で叱っていましたので、そうすると教室全体の雰囲気も悪くなってしまいます。

ですので実際に、まわりの生徒たちにも迷惑がかかっていました。

そのため、いったんは塾を辞めることを決意したようでした。

もしかしたら、私の「まわりにも迷惑かかっちゃうよ」の言葉が塾を辞めようと決意する後押しになったのかもしれません(まわりを気づかう生徒なので)。

ただ、辞めることを決めた後、雄大くんはお母さんに「辞めるんだったら、自分で先生に言ってきなさい」と言われたそうです。

そのため、私に直接「塾を辞めようと思ってます」と告げに来ました。

今、考えると「塾を辞める」という言いづらいことを直接、私に告げに来たのは、やはり信頼関係が築かれていたからだと思います(お母さんと当塾との信頼関係も含めて)。

そして、退塾を告げに来たときに、私としては彼がしっかり考えずに決めていた印象があったんです。

これも今考えると、そのように感じ取ることができたのは、長い時間をかけて雄大くんと関わりあって来たからだと思います。

約束守れる?

そこで、退塾を告げに来たときに彼とこんな話をしたんです。

「塾を辞めようと思ってます」

「本当にそれでいいの?しっかり考えたの?」

「…」

「勉強できなくてもいいの?」

「勉強できるようになりたい、高校にも行きたい」

「だったら本当に辞めていいの?、それで勉強できるようになる?高校にも行けそう?」

「…」

「もうちょっと時間あげるから、しっかり考えてきなさい」

こうして、その日のうちに結論は出しませんでした。

すると後日、もう一度、雄大くんのほうから「塾をつづけたい…」と申し出がありました。

ただ、塾をつづけても今までと同じでは意味がありません。

「だったら、約束守れる?」

「守ります」

「じゃあ、成績に影響するから学校の提出物はまずしっかり出しなさい。出せてなかったら辞めさせるからね」

「はい」

目には見えずとも着実な変化

イメージ図

こうして、雄大くんは塾をつづけることになりました。

ただ実際のところ、このようなやりとりを経てすぐに目に見えて雄大くんが大きく変わったわけではありませんでした。

しかし、着実に変化は起こりました。

まず、学校の提出物を出すようになりました(今でも、遅れることはあるようですが)。

また、この頃から「どのくらいの点数が取れたらどこの高校に行けるのか?」を意識するようになりました。

そして、1年生の3学期ぐらいからコツをつかみはじめます。

3学期に数学で習う、図形のあたりから数学ができる感覚を覚えたようなんですね。

その感覚は中2になってもつづき、着実に数学の問題が解けるようになっていました。

きっかけがあれば急に変わる!

先ほども少し触れましたが、長年、塾に通いつづけていた生徒は何かのきっかけで急にグンと勉強がわかったり、成績が伸びはじめることがあります。

そのため、当塾ではさまざまなきっかけづくりを心がけています。

一例を挙げますと「言葉がけ」です。

「言葉がけ」とは、適切な言葉・タイミング・トーン・アクションが大切です。

例えば、じっくり考えないと簡単には解けないような問題に正解できたときなどには、手を叩いて褒めるようにしています。

ちなみにこのような場合、つられるようにしてまわりの生徒たちも正解した生徒に向けて手を叩いてくれるんですね。

そういう経験をした生徒は、勉強に対して「面白い!これできる!」という自信を持つようになります。

そして、この経験が毎授業で行われるようになると、生徒たちはどんどん自分で勉強に向かうようになります。

勉強が楽しいと感じるからですね。

それは、雄大くんも例外ではありませんでした。

このように、生徒に自信を持たせて、勉強に対して自分で取り組むようにさせてあげることが講師の役割だと私は考えています。

もちろん、褒めるばかりでなく叱ることもあります。

ですが私は、正解できないから叱ることはしません。

私が叱るのは“宿題をやって来ない”など、やるべきことをしなかったときです。

数学は得意科目に

イメージ図

こうして、長い時間をかけて雄大くんは「数学は、いろんなこと覚えなくても解けるし、数学はできる」という自信を持つようになりました。

そしてそれは、現在、きちんと成果にも現れています。

中学2年生になって、6月の学校の定期試験では90点/100点を取るまでに学力を伸ばしました。

また、夏休みに当塾で行った模試では数学が78点/100点満点(平均63.1点)偏差値58にまで学力を伸ばしました(5教科の偏差値は41、3教科の偏差値は42)。

くり返しますが、小6の学力テストで算数は9点/100点満点(全国平均59.8点)、中1の6月のテストで数学は49点/100点満点でした。

ここまで来れば「数学は、得意科目!」と言っていいでしょう。

つねに継続することがすごく大切

イメージ図

成績だけを見れば、大きな成長と言えると思います。

しかし、ここに至るまでに雄大くんは小学4年生から彼なりにコツコツと勉強をつづけていました。

だからこそ、ここまでの成長をもたらしたと言えます。

紆余曲折ありましたが、よくがんばって塾を辞めずに通いつづけてくれました。

またこの間、私としましては何か特別なことを教えたわけではありませんでした。

授業にまじめに取り組むこと、宿題をきちんとやって来ること、時間を守ること、カバンや身の回りをキレイに整理しておくこと etc。

特別すごいことをするのではなく、やるべきことをつねに継続することがすごく大切だと私は考え指導してきました。

こうした取り組みを継続できれば、雄大くんのように苦手科目を得意科目にすることだってできます。

最後に、高校合格のその先を見据えて

「つねに継続することがすごく大切」

その観点から私は、中学3年生には「高校生になっても、塾をつづけたほうがいい」と話しています。

それは、高校生になったとたん、それまでの学習習慣がなくなってしまうことがあるからです。

特に、志望校合格が勉強の目的になってしまっている生徒はそうなりがちです。

当塾の生徒で、とりわけ長く通いつづけている生徒たちは学習習慣を崩さず自分だけで勉強できるようになっています。

また、その生徒たちは塾を辞めても高校で好成績を取りつづけていると聞きます。

ただ、すべての生徒がそうなれるわけでもないのが実情です。

そこで、塾に通いつづけたることで学習習慣が継続できれば、それは高校の成績にも反映されます。

ですので「高校生になっても、塾に通いつづけられたほうが安心だよ」とは伝えています。

高校に合格することは、大きな節目ではありますが通過点でもあります。

だから、志望校合格が勉強のゴールではありません。

また高校では、大学を受験する生徒がほとんどでしょう。

だからこそ、将来の夢に向かって勉強をつづけてほしいと思います。

そのためにも、やるべきことをつねに継続する習慣を大切にして欲しいと思います。

そして当塾では、これからも中学生までに継続する習慣をきちんと身につけられるよう生徒たちを指導してまいりたいと思います。

最後まで、お付き合いくださいまして感謝いたします。

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました